ショート小説 ユリ 4
ここにお母さんはいるらしい。封筒の差出人の住所を頼りに유리がガイドしてくれた。
「この家よ」
そこは普通の一軒家にたどり着いた。ついに母がいるかもしれないところに着いた。
チャイムを鳴らそうと手を伸ばすが
指が震えなかなか押す勇気が出ない。
「うちに何か御用?」
どこか懐かしい声で呼びかけられ、振り返った
「お母さん!!」「아빠!!(お父さん!!!)」
유리も同時に叫んだ
「「え??」」わたしと유리はお互いびっくりした顔で見つめあった。
「ふたりが知り合いだったとは。ひとまず、家に入ろう」유리のお父さんがそう言って家に招き入れてくれた。
「ゆり。なぜ韓国に?いや。でも何から話したらいいのかしら。突然いなくなってごめんなさいね。」
「ずっとどこに行ったのか心配だった。おじいちゃんもおばあちゃんからお母さんがここにいるってこの前聞いて。韓国に旅行に行った際に偶然出会って仲良くなった유리に手紙の住所を頼りにここまで連れてきてもらったの。でもなんで유리のお父さんと一緒にいるの?」